別荘の売却 ― 売れない理由・相場・税金・損しない手放し方【2026年版】

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使わない別荘に固定資産税や管理費だけが出ていく、相続したけれど買い手がつかない――そんな行き詰まりを、出口の選び方から整理する記事です。結論から言うと、別荘は「①なぜ売れにくいかを知る → ②土地値中心で決まる相場を把握する → ③売却・買取・0円譲渡・収益化という出口から選ぶ → ④税金を確認する → ⑤囲い込みのない売り方で進める」という順で考えると、負担を抱えたまま立ち止まる状態から抜け出しやすくなります。

「売る」以外の出口も含めて比べることで、損の少ない手放し方や、売らずに負担を収益に変える道が見えてくる場合があります。本記事は宅地建物取引士が、別荘特有の論点を一次情報の出典つきで解説します。売れるか・いくらになるか・他に出口はあるかを、登記や接道を確認のうえ無料相談で一緒に整理することもできます(相場を保証するものではありません)。

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別荘はなぜ売れにくい?まず理由を知る

別荘が売れにくいとは、買い手の絶対数が少なく、建物評価が出にくく、維持コストや法的制約が重なって、価格・期間の両面で成約しづらい状態を指します。まず「自分の別荘が動きにくい理由」を見極めることが、出口選びの出発点になります。

背景には需給があります。日本の別荘の多くは1970〜80年代の分譲で、今は築40年超のものが目立ちます。当時にぎわった観光地が人口減少で需要を縮め、買い手が少ない一方で売り物は積み上がっており、相場が見えにくく長期化しやすいのが実情です。

物件側の要因も重なります。①建物の老朽化――日常的に住まないため修繕が後手になり、昭和期築の木造は断熱・耐震に難があることが多く、建物評価がほぼ出ず土地値中心の査定になりやすい。②維持費の負担――管理費・温泉利用料・修繕積立金が売却するまで続き、高額な区画では負担が大きくなる例もあります(金額は物件により異なります)。滞納があると買主が引き継ぐため、滞納額以上の値引き要因にもなります。③法的制約――幅員4m未満の道路や私道にしか接していないと接道義務(原則、幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たさず再建築不可となる区画が混在し、流通性を大きく下げます。これらが重なると、なかなか売れない、無償でも引き取り手がない「負動産」化、といった行き詰まりにつながります。

別荘の売却相場はどう決まる?どう調べる?

別荘の売却相場とは、過去の成約事例や土地の評価、立地・需給を総合して決まる「売れる見込み価格」のことで、建物が古い別荘では土地値が価格の大半を占めるのが基本です。

相場は主に取引事例比較法――過去の成約事例から算定する方法――で見立てます。自分で調べる第一歩は国土交通省「不動産情報ライブラリ」で、都道府県別の実取引価格やリゾート地の事例を確認できます。ポータルの売出価格は「希望額」で成約額ではないため、実取引データと突き合わせるのが確実です。

価格を左右するのは、①土地値中心になりやすい(築古・木造だと建物評価がほぼ残らない)、②エリアの需給と季節変動(那須・河口湖などはオンシーズンに上振れ)、③アクセス・インフラの状態、④接道・再建築の可否(再建築不可は相場を大きく押し下げる)、⑤管理費・修繕積立金の滞納、です。

自分の別荘の見当をつけるなら、価格の大半が土地で決まることを前提に、固定資産税評価額や近隣の取引事例から土地の値ごろを当たりにつけ、最終的に個別査定で確定する、という順が現実的です。確実・短期の「買取」と、高値の可能性はあるが長期化しやすい「仲介」とで価格水準が異なる点も押さえます。

別荘の出口は5つ ― 売却・買取・0円譲渡・収益化・国庫帰属

別荘の出口とは、手放す、または保有したまま負担を軽くするための選択肢で、大きく「仲介売却」「買取」「0円譲渡」「収益化」「相続土地国庫帰属制度」の5つに整理できます。売れにくい別荘ほど、「売る」以外も含めて比べることが損を減らす鍵になります。

別荘の5つの出口 ① 仲介売却スピード:遅め / 手取り:高め向く人:時間をかけても高く売りたい ② 買取スピード:速い / 手取り:低め向く人:早く確実に手放したい ③ 0円譲渡スピード:速め / 手取り:ゼロ前後向く人:売れず維持費を止めたい ④ 収益化(貸別荘・旅館業)保有のまま / 家賃収入向く人:立地がよく貸せる ⑤ 相続土地国庫帰属審査あり / 負担金が必要向く人:建物のない土地のみ
別荘の5つの出口の比較(スピード・手取りは目安。実際は物件・契約により異なります)

まず手放す方向です。①仲介売却――囲い込みをせず、国内外の買い手に広く公開して高く評価する相手を探す方法(買い手が薄く長期化リスクあり)。②買取――業者が直接購入し短期・確実に現金化できる一方、価格は市場より低め(別荘・リゾート特化業者なら再建築不可も扱える場合あり)。③0円譲渡(無償譲渡)――隣地所有者や個人・法人へ譲る方法で「みんなの0円物件」等のマッチングサイト(一例)もあります。ただし無償でも税金は生じうる点に注意が必要で、個人へ渡せば受け取った側に贈与税、法人へ渡せば渡した側にみなし譲渡所得課税(所得税法第59条)が生じる場合があります。公益法人等への寄附で譲渡所得が非課税になるのは措置法第40条の国税庁長官の承認など厳格な要件に限られます。課税関係は相手と要件で大きく変わるため、税理士への確認が安全です。

次に売らない・国に返す方向です。④収益化(貸別荘・旅館業への転換)――許認可取得・集客・清掃・対応までを運営代行に委ねれば、売らず保有しながら収益を生む選択肢になりえます。立地次第で「貸す資産」に変わる場合があります。⑤相続土地国庫帰属制度――相続した「土地」を国に帰属させる制度ですが、建物があると申請できず別荘は実質対象外です(更地化の余地はあるが解体費が別途)。負担金(原則20万円から。市街化区域内の宅地等は面積に応じ増える場合あり)と審査手数料(1筆14,000円)も必要です。なお無償でも引き取り手がない「負動産」では、1円売買でも諸費用がかかるなど出口に費用が発生する逆ザヤの例もあります(金額は物件・契約で大きく異なります)。

REYADOは、仲介売却(囲い込みなし・売主目線)と収益化(旅館業への転換・運営代行)を一貫して支援し、買取や0円譲渡など自社で扱わない出口も中立に比較してご案内します。出口を一つに絞らず損の少ない手放し方を選べることが、別荘特有の行き詰まりを抜ける助けになる場合があります。

まだ「売る」と決めていなくても大丈夫です。自分の別荘がどの出口に向くかは、無料診断(約1分)で現状を整理するところから始められます。

別荘を売ると税金はいくら?3,000万円控除は使える?

別荘の売却にかかる税金とは、売却益(譲渡所得)に課される所得税・住民税のことで、別荘はマイホーム向けの優遇が原則使えない点に注意が必要です。まず要点です。

  • 別荘はマイホーム向けの「3,000万円特別控除」が原則使えない
  • 取得費が分からない古い別荘は、譲渡価額の5%を概算取得費にできる
  • 相続した別荘は「取得費加算の特例」が使える場合がある(期限あり)
  • 所有期間が5年超かどうかで税率がおよそ2倍変わる

居住用財産の3,000万円特別控除は、別荘・セカンドハウス等の「主として趣味・娯楽・保養のために所有する家屋」には原則適用されません(出典:国税庁タックスアンサーNo.3302・租税特別措置法第35条)。譲渡益が出ると特別控除なしで課税される場合があります。取得費が分からない古い別荘は、譲渡価額の5%を概算取得費にできます(3,000万円売却なら150万円。出典:No.3258)。

譲渡した年の1月1日時点の 所有期間は? 5年超 → 長期 20.315% 所得税+復興+住民税 5年以下 → 短期 39.63% 長期のおよそ2倍 相続・贈与で取得した別荘は、被相続人(贈与者)の取得時期を 引き継ぐため、長期に該当することが多い(所得税法第60条)。
譲渡所得の長期・短期の区分と税率(出典:国税庁No.3211・所得税法第60条。税率は一般的な場合)

相続した別荘では、相続税が課税された人が、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡すれば、相続税額の一定額を取得費に加算できる「取得費加算の特例」が使える場合があります(譲渡益が上限。出典:No.3267)。相続・贈与で取得した別荘は被相続人の取得時期を引き継ぐため、長期に該当することが多いとされます(所得税法第60条)。なお別荘は譲渡損が出ても損益通算が原則できません。具体的な金額は税理士への確認が安全です。

決める前にまず現状を把握したい方は、無料診断(約1分)や、相続した別荘の相続税の概算が分かる相続税シミュレーターから始められます。

損しない売り方 ― 囲い込みのない仲介を選ぶ

囲い込みのない売り方とは、仲介会社が預かった物件情報を他社にも広く公開し、買い手の入口を狭めずに売却を進めるやり方のことです。買い手が薄い別荘ほど、入口を広く保つことが価格・スピードの両面で効いてきます。

囲い込みとは、仲介会社が預かった物件情報を他社に十分公開せず、自社で買い手を見つけて双方から報酬を得ようとする行為です。これが起きると買い手候補が狭まり、需要の薄い別荘では機会損失が大きくなります。囲い込みをしないと明確に掲げ、レインズへの速やかな掲載や他社の客付けを認めている会社を選ぶのが手がかりになります(詳しくは不動産の囲い込みとは?)。

REYADOの売却支援は、レインズへ速やかに掲載し、他社の紹介・広告も妨げず、国内外に広く物件情報を公開して最も高く評価する買い手を探します。結果的に両手になることはあっても、囲い込みは行いません。売却を表に出したくない相続案件は、媒介の進め方を相談のうえ設計し、非公開での売り方にも対応します。「売る」と決め切れない場合は収益化という別の出口も同じ窓口で検討でき、売却は売主目線の仲介、収益化は運営代行という立場で支援します。サービス別のエリアは、売却相談が全国対応、収益化(旅館業への転換)は東京(港区・新宿区・目黒区 等)・箱根・河口湖が主な対象です。

まとめ ― 別荘は「出口の比較」と「囲い込みのない売り方」で決まる

別荘の手放し方は、①なぜ売れにくいかを知り、②土地値中心の相場を把握し、③売却・買取・0円譲渡・収益化・国庫帰属を比べ、④税金を確認し、⑤囲い込みのない仲介で売り出す、の順が基本です。再建築不可や維持費が重い別荘でも、出口を絞らず比較すれば、損の少ない手放し方や、売らず負担を収益へ変える道が見つかる場合があります。とくに相続で受け継いだ別荘は、固定資産税や管理費が出続けるうちに選択肢が狭まりやすいため、早めの相談で選べる幅が広がります。相続後だけでなく、親世代が元気なうちに出口を一緒に考えておくと、生前の売却・収益化や相続前の対策まで選択肢を広げられます。

本記事の監修:宮﨑洋平(宅地建物取引士/株式会社REYADO 代表/神奈川県知事(1)第33154号)

主な出典

  • 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(都道府県別の実取引価格・リゾート地事例)
  • 国税庁 タックスアンサー No.3302「マイホームを売ったときの特例」(居住用3,000万円特別控除の適用範囲)/租税特別措置法第35条
  • 国税庁 タックスアンサー No.3258「相続した土地・建物を売ったときの取得費」(概算取得費5%)
  • 国税庁 タックスアンサー No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(取得費加算の特例)
  • 国税庁 タックスアンサー No.3211「短期譲渡所得・長期譲渡所得の税額の計算」(長短区分と税率)/所得税法第60条(取得時期の引き継ぎ)

よくある質問

別荘がなかなか売れません。タダでも手放せない場合、どうすればいい?

買い手が薄い別荘では、仲介売却だけでなく、短期・確実な買取、隣地所有者や個人・法人への0円譲渡(無償譲渡)、引き取りサービスといった出口を並べて比べるのが現実的です。ただし0円譲渡でも、個人へ渡せば受け取った側に贈与税、法人へ渡せば渡した側にみなし譲渡所得課税が生じる場合があり、税理士への確認が必要です。売らずに貸別荘・旅館業へ転換して負担を収益に変える選択肢もあるため、立地に応じて出口を比較することをおすすめします。

別荘を売ると税金はいくらかかりますか?3,000万円特別控除は使えますか?

居住用財産の3,000万円特別控除は、別荘・セカンドハウス等の非居住用には原則適用されないため、譲渡益が出ると特別控除なしで所得税・住民税が課される場合があります。取得費が分からない古い別荘は譲渡価額の5%を概算取得費にでき、相続物件なら取得費加算の特例が使える場合もあります。所有期間が5年超か以下かで税率が変わり、相続物件は被相続人の取得時期を引き継ぐため長期に該当することが多いとされます。具体的な金額は税理士への確認が安全です。

再建築不可や接道のない別荘でも売れますか?

売れる可能性はありますが、再建築不可や私道接道は担保評価・流通性を下げるため、価格は土地値中心で低めになりやすいのが実情です。一般の不動産会社では扱いにくい場合でも、別荘・リゾートに特化した買取業者なら対応できることがあります。囲い込みをせず買い手の入口を広く保つ売り方や、収益化など他の出口も含めて検討すると、選択肢を広げられる場合があります。

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